今回は RTA のお話。
かつてマスプロ MTL RTA 界隈を一世風靡した RTA である Berserker RTA が V3 になって帰ってきました。私は無印の Berserker は使ったことがあるのですが、噂通りの漏れ具合に辟易したのをよく覚えています。
で、使ってみた感想としては、欠点はしっかりあるものの、エアフロー回りに光るものがあるって感じです。なぜそう思ったのかも含めて、見て行ってもらえたらと思います。
今回も【VAPEWORX】さんよりご提供いただきました。
Table of Contents
VandyVape Berserker V3 MTL RTA
という訳で今回紹介するのが、VandyVape (バンディベイプ) Berserker V3 MTL RTA (バーサーカー V3 MTL RTA)。お値段税込みで¥5,000 也。
Berserker RTA といえば、かつては無茶苦茶絞れて味もいいけど、リキッド漏れしやすい、というかなりピーキーなアトマイザーとして知られていました。そんな Berserker も今回で 3 作目。V2 を使ったことがない身としては直接の比較ができないのが残念で仕方がないんですけど、やっぱり期待値はそれなりに高くなります。
内容物はこんな感じ。
- Berserker V3 MTL RTA 本体
- 交換用ガラスチューブ ( 3 種 )
- 交換用チムニー
- エアフローアダプター ( 3 種 )
- ドリップチップ
- 六角レンチ
- コイル
- O リング類 / イモネジ
- マニュアル
- クオリティチェックカード
スペックはこんな感じ。
サイズ | 24 mm / 31.5 mm or 43.5 mm |
リキッド容量 | 2 ml / 6 ml |
エアフロー | ボトムエアフロー |
エアフロー調節 | パーツ交換式 ( 4 パターン) |
リキッドチャージ | トップフィル |
ドリップチップ | 510 |
外観
外観です。極小サイズのガラスチューブが特徴的なデザイン。背の高めな RDA みたいな感じで、チューブ MOD とかとも相性よさそうです。刻印だけで特に特殊な加工がなされていないため、目立ちませんが、Berserker の ” B ” の字が彫られています。
カラーバリエーションは、”SS” ”FlostGray” ”MatteBlack” ”GunMetal” ”Gold” の全 5 種類。
主なパーツ構成は、トップキャップ、トップフィルリング、ガラスチューブ、タンク、デッキ、エアフローピン。
トップキャップは、凹凸は薄いもののローレットが彫ってあるので、一応指が引っかかるようにできてます。
スレッドで固定されているタイプで、90 ° 回すと取り外せます。
ガラスチューブはこのサイズ。このタイプどっかで見覚えがあるんですけど、どこで見たのかが全然思い出せないんですよねぇ……。
付属品にもある通り、ロングタンクに交換することができます。画像の通り、ロングタンクに交換すると、リキッド容量が 2 ml から 6 ml に拡張できます。
交換方法は以下の通り。
トップキャップとトップフィルリングを外すとガラスチューブが取り外せるので、付属の延長チムニーのパーツを取り付けてロングのガラスチューブをかませて完了。
ロングタンクに換装した写真がないのは、最初にセットされていたショートタイプのガラスチューブのO リングが堅すぎて取り外せなかったからです。
因みに、トップフィルリングはトップキャップごとねじっちゃうと簡単に取り外せます。
エアホールはここ。
見ての通り固定されているので、ここでのエアフロー調節はできません。
ではどこでエアフローの調節をするか、その疑問の答えこそ今回の目玉。
このアトマイザーの底面を見てみると、ポジティブピンが変な形をしているのがわかると思います。何を隠そう、これこそがエアフローピンなのです。
O リングで接続されているだけの、このポジティブピン兼エアフローピンを交換することで、ドローの重さを調節することができます。エアフローピンは 0.8 mm ~ 2 mm の 4 種類。ポジピンを兼ねているので、ピンを取り外したままで使用することはできません。
今までもパーツ交換でエアフローを調節する RTA はありましたが、まさかポジティブピンと一体化するとは。ビルドを崩さなくて済むどころか、デッキにアクセスすることなくエアフロー調節ができます。過去最高に手間がかからないように、着実に進化しています。アトマイザーの進化は頭打ちだ、とかたまに聞く話ですが、こういった細かいところで便利に進化しているんですね。
デッキ
デッキです。
片側 2 ポールのシングルコイルデッキ。最近あまり見ないタイプのデッキです。一番最近でレビューしたものの中だと Auguse EraAIO が該当しますが、あれは dotAIO 用のカトマイザー。RTA でだと、随分久々な気がします。実に HELLVAPE VERTEX MTL RTA 以来。
ところでこのデッキ、見るからにビルドが難しいんだが……。
デッキの外枠がかなり大きくて、コイルをセットした後に足を切ることができません。事前にコイルの足をカットしてから、しかも足を斜めに角度をつけてからじゃないとうまくセットすることができない仕組みになっています。
チャンバー裏もこんな感じで、かなり高さが抑えられている印象。大型のコイルとかは簡単に接触しそうです。うーん。
ビルドしてみる
はい、ビルドです。
今回は、カンタル 26 G を内径 2.5 mm で 6 巻きのレシピで組んでみました。
横から見るとこんな感じで、コイルの高さは若干下げてみました。
コットン通してこんな感じ。コットンホールが結構大きいので、あまり裂かずに先端を解しただけでセットしています。
正直な話、ビルドは結構難しいです。初めて RBA に挑戦する人が、このアトマイザーを購入するのはちょっと遠慮した方がいいのかなと思います。
吸ってみる
まずはドローチェック。
最小径の 0.8 mmだとがっつり重い MTL 、最大径の 2 mm だと重めの RDL くらいのレンジ。最小径のドローの重さはさすが Berserker 。でも対応幅自体は結構広いので万人受けしやすい感じになってます。個人的には、初期セットアップの 1.2 mm がタバコに近くて吸いやすいんじゃないかなと。
味についてなんですが、さすがはあの Berserker って感じの濃厚なフレーバーを感じられます。純粋に味濃い。甘みも風味も十分に出してくれるので、これならフルーツ系からタバコ系まで、幅広く対応できるんじゃないかなと思います。
漏れについては今のところそんなに気にならないです。既に数日使い続けてみているんですが、滲んでくることも特にありませんでした。
総評
というわけで、VandyVape Berserker V3 MTL RTA をご紹介しました。
昨今の MTL RTA 業界ってかなりクオリティが高いので、いくら Berserker といえど流石にもうダメなのでは……なんて思ったりもしたんですけど、全くそんなことはなかったというか。正直かなり気にっています。味の良さもさることながら、特にエアフローの調節がすごく好き。
ピン交換タイプのエアフローの利点って、使っているうちに勝手にズレないことに尽きるんですけど、その代わり色々とパーツを外す必要があるのが欠点でした。そんな中、ポジティブピンをそのままエアフローピンにしてしまう、という今回の仕組みは、絶対に手が汚れないようになっているのが今回の Berserker の凄いところ。ここまで簡略化できるものなんだと感心しました。
今回の Berserker V3 の弱点は大きく 2 点。
ビルドが難しいことと、ショートタンクの状態だとリキッド残量の確認がすごく難しいこと。
リキッド残量の確認についてはロングタンクに換装する、という明確な対処法があるのでまだいいんですが、ビルド難易度が高いことについては結構足を引っ張っている印象。
最初期の Berserker が滅茶苦茶漏れやすかったりしたことから比べれば、些細な問題なのかもしれませんが、それでも普段から定期的に行う ”ビルド” が難しいっていうのはかなりネックになってくるのかなと。
相対的に見て、RTA を使い慣れている人向けの商品なんだろうなと感じます。
そんなわけで、RDA ライクに使えてしっかり絞れる玄人向け RTA 、お探しの方ご一考ください。
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