今回は AIO の……ていうより昨今人気爆発中の BOLO デバイスのお話。
今回は BOLO デバイスの入門ってことで、 BOLO デバイスってなんぞや?って話からしているので、BOLO 系が初めての方はその辺も含めて見ていってもらえればと思います。今回も【VAPEWORX】さんからご提供いただきました。
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VandyVape Pulse AIO Kit

という訳で今回紹介するのが、VandyVape (バンディベイプ) Pulse AIO Kit (パルスAIOキット)。お値段税込で¥9,500。
AIO と銘打ってはいるものの、今回の Pulse AIO Kit はあの Billet Box から連なる、所謂 BORO デバイスです。

内容物はこんな感じ。
- Pulse AIO 本体
- プリメイドコイルタンク
- Vessel タンク
- 交換用プリメイドコイル
- 交換用コイル
- マニュアル
- O リング類 / イモネジ
- 18650 バッテリー用アダプター
- 充電ケーブル
- 専用レンチ
- + ドライバー
- コイルカットツール
内容物も盛り沢山。ただなんで + ドライバーがついているのかが分からない。本体の外装やアトマイザー内部も含め、+ のネジを使っている箇所が見当たらないんですが……。
BOLO デバイスとは
ひとまず今回の商品を紹介する前にちょっと BOLO デバイスについてのお話をしておきましょう。
事の始まりは “BB” こと “Billet Box” の発売まで遡ります。
当時 VAPE と言ったらスティックタイプの所謂 “AIO” 的な機種か、BOX MOD とアトマイザーのセットが一般的だった中、Billet Box は“アトマイザー部分を内部に格納した BOX MOD” という革新的なデザインで一世を風靡しました。ここ最近で人気の dotAIO なんかは、実は後追いのデザインだったりするわけです。
この “BB” で使える専用のカトマイザーとして広く流通しているのが BOLO タンク。この BOLO タンクが使用できるデバイスを、総称として BORO デバイスとか BOLO 系なんて呼称されています。
BOLO タンクは基本それだけで 1 つ 1 万円超えてくるようなハイエンドクラスのものばかりだったんですが、昨今の人気を鑑みてなのか、低価格化が進んで今回の Pulse AIO Kit が発売されたわけです。
“BOLO デバイス” の特徴として、デザイン以外にも独自の設計がなされています。その最たるものが接点。

手書きなもんで、少々見辛くて申し訳ないんですが、図にするとこんな感じ。
通常の MOD とアトマイザーであれば、アトマイザーの接続部のネジ切りの部分がマイナス、中央のピンがプラスの接点として機能します。つまり接点が1箇所に固まっているんですね。ところが BOLO デバイスの場合、タンク上部がプラスの接点、タンク下部がマイナスの接点になっています。接点が上下に分割されていて、挟み込むように通電するわけです。
実際問題、この違いにどんな意味があるのかはちょっとわからないんですが、まぁこう言った特徴があるよってことだけ理解してもらえればと。
外観

さて、大まかな説明が終わったことで外観です。
なんとまぁ透け透け。ちょっと安っぽいのかなーなんて思ってたんですが、逆にこのチープ感がいい感じのアクセントになっているような感じというか。基盤とかぼんやり見える感じが昔のゲーム機思い出します。

カラーバリエーションは “BLACK” “FROSTED GREEN” “FROSTED BLUE” “FROSTED RED” “FROSTED WHITE” “FROSTED BLACK” の全 6 色での展開。マスプロらしく、カラバリが豊富です。
BORO デバイスってこれまでメンズ向けっぽいデザインが多かったんですけど、今回の Pulse AIO はパステルカラー且つクリアボディーのモデルがメインで、ポップで可愛いデザインになってます。

本体上部にはドリップチップ。ドリップチップを取り外すとタンク固定用のネジパーツが露見します。このパーツを専用のレンチで緩めると、タンクを取り外すことができるようになります。

本体正面にはパフボタンのみ。カバーをつけた状態で触れるボタン類はここだけになります。

正面のパネルを取り外すと、液晶と + / – ボタン、充電ポートが顔を出します。パネルが半透明なので、液晶はパネルをつけた状態でもなんとなく視認できます。バッテリー残量と W 数くらいまでは確認できます。

正面側にもリキッド残量確認用の小窓も付いています。

反対側のパネルを外すとこんな感じ。タンクとバッテリーはこちら側から着け外しできます。

ドリップチップ側の側面にはエアホールがあります。

このMOD の特徴として、実はかなり細かくカスタムできます。定番のパネル交換だけでなく、ボタン周りのカスタマイズもできたりします。
スペック
本体スペックはこんな感じ。
バッテリー | 18650 or 21700 or 20700 |
サイズ | 55.6 x 97.5 x 28.2 mm |
ドリップチップ | 510 |
モード | VW / VV / TC |
対応抵抗値 | 0.05 Ω 〜 3 Ω |
VW 上限 | 5 W 〜 80 W |
充電ポート | Type-C |
充電出力 |
プリメイドコイルタンク
Pulse AIO Kit に付属するプリメイドコイル専用タンクです。

外観はこんな感じ。
dotAIO 系のクリアロタンクをでかくしましたってくらいに酷似した簡単な作り。下からコイル差し込むだけで使えるお手軽仕様です。

リキッドチャージはここ。シリコンの蓋を剥がして入れるタイプです。本体にセットした状態でも簡単にリキッドチャージできます。
エアフローコントロールは長穴式です。無段階で調節できます。
スペックはこんな感じ。
リキッド容量 | 5 ml |
コイル抵抗値 | 0.15 Ω / 03 Ω / 0.6 Ω / 0.9 Ω / 1.2 Ω |
エアフロー | ボトムエアフロー |
Vessel タンク

続いて RBA タンクです。
構造的には以前紹介した Era AIO とまんま一緒。タンクの下部分がスポッと取り外せて簡単にビルドできるっていうお手軽方式です。このタイプだとタンクの中にリキッドが残っていてもビルドし直せるし、デッキが大きくてビルドしやすいんですよね。

リキッドの注入口はここ。蓋はシリコン製です。
ちょっとびっくりしたのがここ。なんとこのタンク、デッキ部分とタンク部分は固定されてないんです。本体にセットするときは上から圧迫して固定する形になるので、いいっちゃいいんですが……本体から取り出した瞬間にボロッと落ちてくるのはなんとも。

エアフローコントロールはここ。黒いパーツがネジ式ではまっているので、締めたり緩めたりしながら穴を合わせるって感じです。

この黒いパーツを取り外すと、510 の接続ポートが現れます。このままオームメーターや MOD に取り付けてビルドします。

デッキはこんな感じ。非常に見覚えのあるデザインの縦置き式のシングルデッキです。タンク自体がでかいので、その分デッキ面積が広く、ビルドもしやすそうな感じがします。

チムニー部分はこんな感じ。外側にある 4 か所の穴からリキッドが落ちてきて、デッキ内のコットンに伝うような設計です。
スペックはこんな感じ。
リキッド容量 | 3.7 ml |
エアフロー | ボトムエアフロー |
ビルドしてみる
ビルドしていきます。

今回のレシピは、カンタル 24 G の内径 3 mm 、6 巻で大体 0.6 Ω 付近を狙って組んでいます。コイルの高さは付属のコイルカットツールで推奨値の 6 mm でカットしてます。

高さ的には結構ギリギリな感じなので、クラプトンみたいなもっと太いワイヤーを使う場合はもうちょっと高さを出したほうがいいかもしれません。

コットンを通すとこんな感じ。
※注意点

1 つ、重大かつ重要なポイントなんですけど、タンクを本体にセットするときは、ドリップチップの中のタンク固定パーツをしっかり締めてください。
先述の通り、BORO デバイスは接点が上下に分かれています。この上下の接点がちゃんと密着していないと、抵抗値がブレたり最悪ショートしかねません。
このようにちょっとのミスで簡単に抵抗値が気軽にブレてしまいかねない、言ってしまえば不安定な機種です。なので抵抗値にあわせて出力が変わる VV モードより、出力を手動で合わせられる VW モードで運用する方がお勧めです。
使ってみる
本体の使い方は以下の通り。
- パフボタン5 クリック→電源 ON / OFF
- パフボタン3クリック→モード変更
- + / – ボタン同時押し→設定画面に移行
- + / パフボタン同時押し→画面反転
- – / パフボタン同時押し→ボタンロック
てなわけで先ずはドローチェック。
デッキの形状からお察しな感じはありましたが、結構軽いです。MTL で吸うのはちょっと難しいかも。エアフローの調節は、全閉手前でそこそこ重くはなります。そこまで締めないと全開時と変わらない感じはまぁマスプロだなぁと。
クリアロタンクの方も基本軽めな設計でした。正直こちらの方がドロー感の調節は効いてる感じがしました。
味の方は Vessel タンク、プリメイドコイルタンク共にそこそこといった感じ。Vessel タンクはまぁ DL 向けっぽいデザインの通り、リキッドの風味の外枠をボワーっと出してくる感じです。複雑系のリキッドよりも単体系のリキッドの方が合ってるのかなって印象です。
一方でプリメイドコイルは何気にちゃんとメッシュコイルを採用しているので、それなりに美味しいです。まぁこのデバイスを購入する層はプリメイドコイルなんてそんなに使わないと思うんですけど、実際のところどうなんでしょうか。
総評
てなわけで VandyVape から Pulse AIO Kit のご紹介でした。
立ち位置的には BOLO デバイスの入門機ってとこだと思うんですけど、実際ピッタリだと思います。価格的にも本体とタンク 2個付いて 1 万円を切っていると思えば、BORO デバイスどころか一般的なテクニカル MOD 系のスターターキットと比べても安いです。
21700 サイズのバッテリーが入ることもあってサイズのデカさが気になりますが、性能的に物足りないと感じるような点はありませんでした。スケルトンボディのおかげで、リキッド残量や液晶パネルの情報がなんとなくでも把握できるのも嬉しい誤算でした。
後は見てくれのチープさが許容できるのなら全然アリな商品だと思います。
そんなこんなで、BOLO デバイスの入門キット、気になってる方はご一考ください。
VAPEWORX さんの商品ページはこちら。
