今回はちょっと久々の MTL RTA のご紹介です。最近 POD 機種ばかりでビルドして無いな、なんて思ってたらいつもの【VAPEWORX】さんで何やら良さげなアトマイザーを発見したので、つい買ってしまいました。
発売自体は 2 か月ほど前なのですが、どうやら画期的な機能が付いているそうなので、その辺含めてみていってもらえればなと思います。
Table of Contents
YachtVape PANDORA MTL RTA V2
というわけで、今回紹介するのが YachtVape (ヤクトベイプ) の PANDORA MTL RTA V2 (パンドラMTLRTA V2)。お値段税込で¥5,980 也。
VAPEWORX さんのYouTube チャンネルでも PANDORA MTL RTA の開封動画が上がってるので、ご参考までにのっけときます。
YachtVape といえば、直近でレビューした ECLIPSE RTA が記憶に新しいです。ECLIPSE RTA がローハイトな爆煙仕様の DL RTA であったのに対して、今回の PANDORA MTL RTA は背が高めの MTL RTA と真逆な設計になっています。
内容物はこんな感じ。
- PANDORA RTA 本体
- 交換用ドリップチップ
- 交換用ガラスチューブ
- チャンバープレート
- エアフロー交換パーツ
- + ドライバー
- 六角レンチ
- シリコンパーツ
- イモネジ / O リング類
- コイル
- マニュアル
スペックはこんな感じ。
サイズ | 22 mm × 48 mm |
リキッド容量 | 2 ml |
エアフロー | ボトムエアフロー |
リキッドチャージ | トップフィル |
ドリップチップ | 510 |
外観
外観です。ボトム部分が大きいというか、全体の比率が独特な感じ。いいと思います。
カラーバリエーションは、“SS” “Matte Black” “Gunmetal” の 3 色での展開。どれも渋くてかっこいいです。
パーツ点数は大まかに分けてドリップチップ、トップキャップ、チムニー、ガラスチューブ、エアフローパーツ、デッキの 6 パーツ。
トップキャップは半回転して引き抜く切りかきタイプ。トップキャップの裏側は全面シリコンなので、強メンソールや柑橘系のリキッドは NG 。
正面下部のダイヤルはエアフローコントロールその 1 。ここを回すことで、デッキ内部のエアーの出口の径を変更できます。
本体裏側の − ネジがダイヤルのロックになっているので、ネジを緩めれば指でも回せます。閉めたままでも六角レンチがあれば一応回るので、その辺はお好みで。
デッキ下部の穴はエアフローコントロールその 2 です。左右両側に 5 個ずつ穴が空いていて、無段階で調節できます。全分解して付属のパーツと交換することで片側のみ開口状態にもできます。
デッキ
デッキです。結構よくあるタイプの 2 ポスト、シングル前提デッキ。コットンホールの下の穴からリキッドが供給されるタイプなので、コットン梳き過ぎには注意です。このタイプは梳き過ぎると供給過多になりがちなので、ほぼ梳かずにそのまま入れ込むくらいが丁度いいと思います。
チャンバーはこんな感じ。
で、ここが今回のポイント。チャンバー内側のネジ切り部分に付属のチャンバープレートをセットすることで、なんとチャンバー内の容積を圧縮できるんです。画期的。
基本的に、チャンバー内の容積が少なければ少ないほど、濃いミストが味わえます。こう聞くと狭けりゃ狭いだけいいじゃんってなりそうなもんですが、一方でコイルを加熱することで発生する熱が逃げにくいという弱点があります。爆煙用のアトマイザーのチャンバー内がだだっ広いのは実は理由だったり。
アトマイザーのチャンバー内部の容積は、コイルとコットンで一応の微調節はできるものの、それ以上の変更はできません。よって、低抵抗の爆煙セッティング用のアトマイザー、高抵抗の MTL 用アトマイザーといった感じで、アトマイザーの使い分けによって抵抗値を変えるっていうのがこれまでの定石でした。
ところがこの PANDORA RTA V2 の登場によってその定石が変わるかもしれません。チャンバー内の容積を後付けで変更できるということは、1 つのアトマイザーがより広いレンジの抵抗値に対応できることです。
今回のPANDORA RTA V2 はあくまで RDL 〜 MTL という MTL アトマイザーとしてごく一般的なレンジで細かく調節するための機能でしかありません。しかし、将来的にこの方式が発展して今後他のアトマイザーにも実装されれば、DL のアトマイザーで MTL セッティングとか、MTL のアトマイザーで爆煙セッティング、みたいな感じのセッティングが現実的になるかもしれません。
ビルドしてみる
はい、ビルドしていきます。
今回のレシピもいつも通り。カンタル 26 G を内径 3 mm で 6 巻で 0.8 Ω付近を狙って組んでます。
申し訳程度にジグポスト的な窪みがついているので、ビルド自体はめっちゃ簡単です。ただ思ったよりポスト間のスペースが狭く、内径 3 mm で組んで結構ギリギリでした。あとこれは個体差だと思うんですが、一瞬でネジ頭がバカになりました。プラスネジってこれがあるからあんまり好きじゃないんですよね。
コットン通すとこんな感じ。
吸ってみる
さて、吸ってみます。
先ずはドローチェック。お、いい感じ。ダイアルのエアフローが結構ちゃんと効いてます。このダイヤルとエアフローリングで凄く細かいとこまで調節できるようになってます。ここ最近このブログでレビューした中では、ドローの調節の細かさはダントツだと思います。
味に関しては、甘さを出すのがちょっと苦手な印象。悪くはないんですが、このアトマイザーで吸うならタバコ系とかコーヒー系あたりがいい感じなんじゃないでしょうか。
チャンバープレートなんですけど、これはまぁ……変わるっちゃ変わるのかな?って程度でした。先ほど「可能性の塊だ!」と喜び勇んで書き殴ったのに期待したほどの変化は感じられませんでした。ただ、ほんとに微々たる差ではあるんですけど、プレート有りの方がフレーバーが濃く出ている気がします。
総評
そんなこんなで、YachtVape から PANDORA MTL RTA V2 のご紹介でした。
独創的なデザインかつ先鋭的な試みで他に類を見ない面白いアトマイザーでした。チャンバープレートに関してはもっといろんなリキッドで試してみたい所ですが、それを除いてもドロー調節の繊細さ等、光るものは確かにあります。
ここ最近はマスプロダクトでもステルス MOD 系が増えているので、背の高さもむしろプラスに働いている気もします。
と言った感じで、繊細さと独創性を併せ持つ MTL RTA 、気になった方はご一考ください。
VAPEWORX さんの商品ページはこちら。